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転職を考えるとき、どんな会社か、給料はいくらかと同じくらい気になるのが、人間関係だと思います。
トラックの仕事は「運転中は一人だから、人間関係が楽」とよく言われます。本当でしょうか。
私はトラックドライバーとして25年、そのうち15年は海上コンテナのトレーラーに乗っていました。今は食品の近距離配送をしています。人間関係は入ってみないと分からない、というのは本当です。それでも、乗ってきた人間として伝えられることを書きます。
運転席は一人。でも、いつも誰かとつながっていた
確かに、トラックの中は一人です。
ただ、仕事全体が一人かというと、そうではありません。海コン時代は、コンテナの搬出入や、デバン(コンテナから荷物を出す作業)、バン詰め(コンテナに積み込む作業)で、必ず人と関わりました。挨拶、確認、指示。現場では毎日、誰かと言葉を交わします。
そして運転中も、完全には一人ではありませんでした。無線から、いつも同僚たちの声が聞こえてくるんです。誰がどこにいるのか、聞いていれば分かってしまう。トラックにはGPSも付いていて、会社からは位置が見えています。見られているわけです。
最初は、なんか嫌でした。でも無線は、慣れればラジオのような感覚になります。気にしない人は最初から気にしません。私も慣れてからは気にならなくなりましたし、仕事のうえでは便利なものだと思っていました。
ずっと嫌だったのは、16時の無線
ただ、ひとつだけ、最後まで慣れなかったことがあります。
16時くらいになると、GPSを見て「もう出てくるな」と思われているのが分かるんです。様子をうかがう無線が来て、どこかに並びに行かされる。仕事が終わる間際に並びに行くのが、すごく嫌でした。
港の最終の並びは16時半です。そこから並べば、何時に帰れるか分かりません。その話は海コンの待ち時間はどれくらいか|東京港で10時間半並んだ日に書きました。
配車係の事情は分かります。次の日に配達するコンテナがまだ残っていて、今日のうちに取っておかないといけない。近くにいる車を使うのも当然です。タイミングの問題でした。
それでも、ちくしょうって感じでした。
配車係はGPSと無線で車の位置を見て、仕事を振っています。港の予約の記事でも書いたとおり、それで助かる場面もあります。ただ、見えているからこそ、終わり際に声がかかる。運転席は一人でも、こういう形で人とつながっているのが、トラックの人間関係です。
同じ無線と電話に、助けられてもいた
一方で、同じ無線と電話に、何度も助けられました。
- どのヤードが混んでいるか、並びの情報
- 道路の混み具合
- 初めて行く現場の、細かい情報
並びと道路の情報は、無線と電話の両方で入ってきました。初めて行く現場の話は、電話で聞くことが多かったと思います。地図にもナビにも出てこない話を教えてくれるのは、先にそこへ行った同僚です。
現場の「カルテ」があった
中でも助かったのが、現場のメモです。
いい人は、現場のやり方をメモに書いてくれました。書いてあったのは、たとえばこういうことです。
- ここに電柱がある、など危ない場所
- トイレの場所
- デバン・バン詰めにかかる時間
- 作業員の態度
そのメモは会社が預かっていて、その現場に行く人に渡していました。現場のカルテみたいなものです。
海コンはあれだけ大きいトラックなので、初めて行く現場は緊張します。前の日に眠れないこともありました。しかも海コン時代は、初めての現場に自分が最初に行くことが多かったんです。
だからこそ分かります。カルテがあると、本当に楽になりました。自分が一番最初じゃないのが、どれほど楽か。
今の配達先には、一度も会わない店もある
今の食品配送では、人との距離がまた違います。
会社には、荷物の用意や積み込みを手伝ってくれる人が数人います。配達先は、人がいる所と、いない所があります。いない所は、最初から鍵を預かっています。今だに、店の人と一度も会ったことがない配達先もあります。
人がいる所は、最初はなかなか馴染めません。でも、挨拶だけはしっかりして、丁寧な対応をしていれば、だんだん馴染んできます。そのうち、挨拶以外の会話もするようになっていきます。
同じ配達の仕事でも、人との距離は現場によってまったく違います。一度も人に会わない現場もあれば、時間をかけて関係ができていく現場もある。後のほうは、自分で作っていけるものです。
合わない人は、必ず一人はいる
ここは正直に書いておきます。
どの会社にも、必ず一人は自分と合わない人がいます。みんながみんな、いい人ではありません。
海コン時代は、半分歩合のようなところもありました。歩合でガツガツ稼ぐ人は、正直、厄介でした。稼ぎたい人は、仕事を自分のほうへ持っていきます。こちらから見れば、仕事を持っていかれる相手です。
そういう人は、相手にしないことです。気の合う仲間と仲良くしていたほうが、仕事も辛くありません。
うまくいかないときは、無理しなくていい
私は最終的に、海コンの会社を辞めることを選びました。
事故の記事に、事故を報告したときの上司の一言で「会社との間に引っかかりが残った」と書きました。人間関係のことも、その中に入っています。それに加えて、家族の記事に書いた、大きい車に乗り続けるリスクもありました。初めての現場の緊張も、そのひとつです。
だから、これだけは言えます。人間関係がうまくいかないときは、無理して続けることはありません。無理を続けると、精神がイカれます。
入る前に確かめられること
人間関係は、入ってみないと分かりません。それは本当です。
ただ、ひとつ、入る前に聞けることがあります。初めて行く現場の情報を、会社でどうやって引き継いでいるかです。
これは面接でも見学でも、聞いて不自然な質問ではありません。カルテのようなものがあるのか、先輩に聞く形なのか、何もないのか。答えを聞けば、少なくとも、初めての現場でどれくらい一人で抱えることになるかは見えてくると思います。
入ってからは、行ったことのある人に聞く
今、新しく入ってきた人には、こう言っています。
「最初は初めての所が多いだろうから、行ったことのある人に聞くのがいいよ」
道を知るためだけではありません。聞くことが、そのまま同僚とのコミュニケーションのきっかけになります。運転席は一人でも、聞ける相手が一人いるだけで、仕事はずいぶん楽になると思います。
もし今の職場がどうしても合わなくて次を探すなら、職場の様子のように自分では確かめにくいことを、間に人を挟んで聞いてもらう手もあります。たとえばドライバーの求人・転職・募集なら【レバジョブ】
は、ドライバー職に特化した転職サービスです。私は登録していないので、使った感想は書けません。自分で確かめられる人は、無理に使う必要はありません。
まとめ
- トラックの中は一人。でも、無線とGPSで、いつも誰かとつながっていて、見られてもいる
- 無線は慣れればラジオ。最後まで嫌だったのは、終わり際の「様子伺い」だった
- 同じ無線と電話で、並びや道路、初めての現場の情報に助けられた
- 現場の「カルテ」。自分が一番最初じゃないのは、それだけで楽
- 配達先には、一度も会わない店もある。人がいる所は、挨拶と丁寧な対応でだんだん馴染む
- 合わない人は必ず一人はいる。相手にせず、気の合う仲間と
- うまくいかないときは、無理しなくていい
- 入る前に聞けるのは「初めての現場の情報をどう引き継いでいるか」。入ってからは、行ったことのある人に聞く
「トラックは一人で気楽」は、半分本当で、半分は違います。運転席は一人でした。でも、仕事は一人ではありませんでした。

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