帰庫とは?トラックドライバーの一日:出庫から帰庫まで【現役25年解説】

仕事のリアル
🎥 この記事の内容を動画でもお話ししています(約3分半)
「トラックドライバーって、一日どんな感じで過ごしているの?」 家族や友人からも、よく聞かれる質問です。 今回は、私の典型的な一日を時系列でお話ししながら、その中で直面する「あるある」──渋滞、トイレ問題、荷物の積み込み方にも触れていきます。

「帰庫」とは?ドライバー業界の基本用語

帰庫(きこ)とは、トラックが業務を終えて営業所(車庫)に戻ることです。 朝、営業所を出ることを「出庫(しゅっこ)」と呼びますが、その逆が「帰庫」。ドライバーの一日は、出庫で始まり、帰庫で終わります。 たとえば、現場ではこんな使い方をします。
  • 「今日は何時帰庫?」
  • 「帰庫したら点呼受けて、明日の段取り」
  • 「事故対応で帰庫遅れます」
この記事では、私の典型的な一日を「出庫」から「帰庫」までの流れで紹介していきます。

出庫前:朝の儀式

朝4時半、起床。 人や便によって時間は違いますが、だいたい日の出前に会社に着いています。 出庫までにやることは決まっています。
  • 体調チェック(アルコールチェック・体温測定)
  • 点呼(運行管理者との対面確認)
  • 車両点検(タイヤ・灯火類・オイル・ブレーキ)
  • ルート確認と納品先の情報確認
  • 伝票・必要書類の準備
これを省略するとエライ目にあうので、ベテランほど丁寧にやります。「今日はちょっと疲れてるな」という自分の状態は、この段階で正直に申告する──これが25年続けてきた一番の秘訣かもしれません。

積み込み:実は一番技術がいる時間

出庫したら、まず荷主さんの倉庫へ。 積み込みは、ただ荷物を載せればいいというものではありません。走行中に荷崩れしない、卸し順を逆から積む、重量バランスを崩さない、箱車じゃなければ雨で濡れないように養生する──これを全部考えながらテキパキ積んでいきます。 とくに気を使うのは「重いものは下、軽いものは上」「奥で卸す荷物は奥へ、手前で卸す荷物は手前へ」という基本。ですが実際は、荷物の形やサイズがバラバラで、そう単純にはいきません。 ラッシング(固定ベルト)をかける位置や締め具合にもコツがあって、これは本当に現場でしか身につかない技術です。若い頃、先輩にぎゅっと締め上げるように教わって、今でもその感覚が体に残っています。 ドライバーは単なる「運ぶ人」ではなく、「荷物を安全に届ける責任者」。その自覚が一番強く出るのが、この積み込みの時間です。

走行中その1:渋滞との付き合い方

さあ出発、といきたいところですが、現実にはすぐ渋滞にはまります。 首都高、東名、中央道、東北道──どこも朝、夕方は混んでいます。 新人の頃は「早く目的地に着かなきゃ」と焦って車線変更を繰り返したりしましたが、今は違います。
  • 流れができるまで無理に進まない
  • 渋滞情報アプリで迂回のタイミングを計る
  • どうせ止まるなら早めに休憩を取ってしまう
一番大切なのは「気持ち」です。渋滞は誰のせいでもないし、怒ってもハンドルは進みません。むしろ、焦って事故を起こすほうがよっぽど遅くなる。これに気づくのに、だいぶ時間がかかりました。 大型車は加速も減速もゆっくりです。だから、隣車線からの割り込みにも腹を立てず、「どうぞどうぞ」と車間を取ってあげる。これが安全で、結果的に自分を守ることにもなります。

走行中その2:トイレ問題という現実

ここは正直に書きます。ドライバーにとってトイレ問題は、本当に大きな悩みです。 2トン・4トン車くらいなら、街中のコンビニに止めることもできます。でも大型になると簡単ではありません。駐車スペースがないし、乗降も時間がかかる。 さらに、時間指定の納品が迫っていたり、渋滞中、周囲にサービスエリアがなかったりすると、我慢するしかない場面も出てきます。 対策としてやっていることは──
  • 水分は「我慢せず、でも取りすぎず」
  • 朝のうちにお通じを済ませておく習慣
  • 空のペットボトルを常備(本当に緊急用)
  • 停車できそうな場所をあらかじめ頭に入れておく
これは業界全体の課題で、女性ドライバーが増えない大きな一因にもなっています。トラックステーションの整備など、少しずつ改善されているのは嬉しい変化です。 あまり語られない話ですが、現場では本当に切実。後輩には「我慢は絶対しちゃだめ。体を壊す」と必ず伝えています。

目的地で荷卸し

現場に着いたら、バックで着車させます。 狭い荷捌き場にピタッと寄せるのも、慣れるまでは冷や汗もの。ミラーだけで何十センチ単位の調整をする、あの緊張感は今でも新鮮です。 納品先の方とのコミュニケーションも大事で、「いつもお疲れさまです」の一言から信頼関係が生まれます。愛想よくしておくと、次回から多少の融通もきくし、お互い気持ちよく仕事ができる。これも25年の中で学んだことのひとつです。 荷卸しが終わったら、受領印をもらって完了。次の現場があれば、続けて向かいます。

帰庫:終わりの儀式

すべての配達が終わって会社に戻ったら、日報を書きます。
  • 走行距離
  • 再度アルコールチェック
  • 給油と経費
  • 荷物の状態や特記事項
  • 車両の異常の有無
そして、翌日の運行指示を確認し、車を駐車して、最後にもう一度点呼。これで一日の業務が終わります。 家に着くのは、日付が変わる頃になることもあります。それでも、事故なく無事に一日を終えられた安心感は、何にも代えがたいものです。

最後に

こうやって書き出してみると、トラックドライバーの一日って、運転だけじゃないんだな、ということが伝わったでしょうか。 体と頭と気持ちをフル稼働させて、安全・時間・品質の3つを同時に守る仕事。それが私たちの毎日です。 次回は、この中でも触れた「荷物の積み方」について、もう少し詳しく書いてみようと思います。荷主さんに褒められる積み方の考え方、若い人にぜひ伝えたい工夫を、写真や図も交えて書いてみたいです。 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。 いっちゃん

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