トラックの求人票を見ていると、「手積み・手降ろしあり」という一文をよく見かけます。これから運送業を始めようという人には、正直よく分からない言葉だと思います。「なんとなく大変そう」——そのくらいの感覚ではないでしょうか。
25年、私はこの手積み・手降ろしをずっとやってきました。市場で魚や野菜を運んでいた頃も、今の鶏肉を運ぶ仕事も、荷物は自分の手で積んで、自分の手で降ろします。この記事では、手積み・手降ろしとは何か、そして実際どれだけキツいのかを、正直に書いておきます。求人票のあの一文の裏側を、知っておいてほしいからです。
手積み・手降ろしとは
手積み・手降ろしとは、その名の通り、荷物を機械(フォークリフトなど)を使わず、人の手で積んだり降ろしたりする作業のことです。段ボールやケースを一つずつ抱えて、トラックの荷台に積み上げていく。降ろすときも同じで、一つずつ手で運び出します。
フォークリフトでパレットごとドンと積める現場もありますが、扱う荷物や納品先によっては、どうしても手作業になります。私が長くやってきた食品の仕事は、まさにこの手積み・手降ろしが中心でした。
私が運んできた荷物と、腰にきた話
私はまず、市場で9年間、魚と野菜を運んでいました。この期間で、ぎっくり腰を2回やっています。そして今の仕事に変わってからは、鶏肉をメインに、豚肉、牛肉を運んでいます。ここでも1回、腰をやりました。合わせて3回。手積み・手降ろしと腰痛は、正直、切っても切れない関係です。
荷物の重さは、一個10キロ以上が当たり前。一番重いもので30キロありました。重さそのものは、正直、多少は体が慣れます。問題は個数です。一個一個はなんとかなっても、それが何十個、何百個と続くと、さすがに腰にきます。
そして、一番キツいのが真夏です。私が扱うのは食品なので、車は冷凍車。積み込みも、冷蔵倉庫の中でやります。冷えた倉庫の中なんだから涼しいだろう、と思われるかもしれません。ところが、いくら冷蔵倉庫の中でも、汗でぐっしょりになります。10キロ、20キロの荷物を抱えて動き続ければ、外だろうが冷蔵倉庫の中だろうが、体は容赦なく汗をかく。むしろ、冷えた空気と噴き出す汗が入り混じって、体には余計こたえます。冷えと汗と重さ——真夏の手積み・手降ろしは、本当にしんどい作業です。
腰を守るために、私がやっていること
3回も腰をやった私が、今、気をつけていることを書いておきます。これから手積み・手降ろしをやる人には、本当に知っておいてほしいことです。
まず、コルセットは必ず使います。これはもう、お守りではなく必需品です。腰に不安がある日もない日も、作業のときは必ず巻きます。
そして、荷物を横着して持たないこと。変な体勢で持たない。これが一番大事です。腰を痛めるときというのは、たいてい早く終わらせようとして、体勢が悪くなっているときなんです。あと一個だから、と無理な角度で持つ。そういう横着が、一発で腰を持っていきます。
だから、慌てないこと。ゆっくりやること。急がば回れです。特に若い人ほど、早く仕事を終わらせようと慌てて、体勢が悪くなりがちです。体力がある分、無理がきいてしまう。でも、その無理が何年か経って腰にツケとして回ってきます。私がそうでした。若い頃の自分に、一番言ってやりたい言葉です。

▲ 左(NG)は膝を伸ばして腰だけで持ち上げる悪い例。右(OK)は膝を曲げて箱を体に近づけ、脚の力で持ち上げる正しい例。
これから始める人へ——面接で必ず聞いておくこと
最後に、これから運送の仕事を始めようという人へ。手積み・手降ろしのある求人を受けるなら、面接のときに必ず聞いておいてください。
- どんな荷物を運ぶのか?
- 一個あたりの重さはどれくらいか?
- 一日にどれくらいの量を積み降ろしするのか?
ここは遠慮せずに聞いていいところです。そして、もし不安なら、一度体験させてもらうのが一番いいです。話で聞くのと、実際にやってみるのとでは、キツさの感覚がまるで違います。
というのも、入社してみたら、聞いていた話と違った——これは運送の世界では、残念ながらよくあることだからです。「手積みは少しだけ」と聞いていたのに、実際はほとんど手作業だった、なんてこともあります。だからこそ、入る前に自分の目と体で確かめておく。これが、あとで後悔しないための一番の方法です。
手積み・手降ろしは、決して楽な仕事ではありません。でも、やり方さえ間違えなければ、25年続けてこられる仕事でもあります。腰とうまく付き合いながら、無理せず、ゆっくり。これから始める方が、私のように何度も腰をやらずに済むことを、願っています。

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