前回まで、学がない私がどうやって乙4の勉強を続けたか、という話を書きました。今日はその続き——実際の試験当日の話です。
正直に書きます。当日の私は、かっこいいものじゃありませんでした。
その前に——私の頃は「願書」だった
当日の話に入る前に、ひとつだけ。私が受けた頃は、申し込みは消防署などで願書(用紙)をもらってきて、手書きで記入して出す、という方式でした。今みたいにスマホでパッと、というわけにはいかなかったんです。
今回この記事を書くにあたって調べてみたら、今はずいぶん便利になっていました。ネット(電子申請)でスマホやパソコンから24時間申し込めて、受験料もクレジットカードやPayPay、コンビニ払いなどから選べる。願書を使う書面申請も今も残っていますが、これから受ける人の多くはネットで完結できるはずです。いい時代になったなあ、と思います。
蒸し暑い6月、地図を頼りに会場へ
私が受けたのは、6月の梅雨の時期。東京の試験センターで、土曜日の午前中でした。
駅から歩いて会場へ向かったんですが、これがまた蒸し暑い。スマホの地図を頼りに、「こっちで合ってるのか?」と思いながら、汗をかいて歩いていきました。試験の前から、もう落ち着かない感じです。
会場の人、みんな賢そうに見えた
かなり早く着いてしまったんですが、それでも会場にはもう人がたくさんいました。椅子には座れず、私は壁に寄りかかって、とりあえず参考書を開きました。
でも、まったく頭に入らない。
まわりの人が気になって仕方ないんです。若い人もいれば、50代以上の人もいる。作業服の人、スーツの人。いろんな人がいましたが、私にはみんな頭が良さそうに見えました。「自分みたいなのが受かるのか」と、ますます心細くなったのを覚えています。
1問目で、頭が真っ白になった
そして試験開始。確かマークシートだったと思います。
第1問。問題を見た瞬間——頭が真っ白になりました。
さっぱり分からない。何を聞かれているのかも分からない。一瞬、「これ、乙4の試験じゃないんじゃないか?」と本気で思ったくらいです。あれだけ朝30分コツコツやってきたのに、いきなりこれか、と。
でも、ここで固まってもしょうがない。とりあえず分かる問題から手をつけていきました。1問、また1問と解いていくうちに、だんだん落ち着いてきたんです。
そして、ある程度進んでから、もう一度あの第1問に戻ってみました。
「……なんだ、これか!」
さっきまで真っ白だった問題が、普通に解ける。要するに、最初は緊張で頭が回っていなかっただけだったんです。
正直、手応えはありませんでした。ただ、時間はけっこう余りました。化学式の問題も出ていたと思いますが、細かいところは覚えていません。とにかく「できたような、できなかったような」、モヤモヤした気持ちで会場を後にしました。
合格発表の日、私は仕事をしていた
合格発表の日、私はいつも通り仕事をしていました。じつは、自分の受験番号をはっきりとは覚えていなかったんです。それでも頭のどこかに、「たしか、こんな番号だったよな」というぼんやりした記憶だけは残っていました。
仕事を終えて家に帰り、おそるおそるネットで合格発表のページを開きました。「なんとなくこの番号っぽい」と思っていた数字を、一覧の中から探す。——あった。
正直、私は落ちたと思っていました。あんなに手応えがなかったのに、受かっている。本当にこの番号で合っているのか、自分の記憶を疑って、何度も見直したくらいです。後日、自宅に正式なハガキも届いて、そこでようやく「ああ、本当に受かったんだ」と実感がわきました。
学がなくて、当日は1問目でパニックになりかけた私でも、受かったんです。
これから受ける人へ
私の経験から、これから乙4を受ける人に伝えたいことがあります。
- 会場で周りが賢そうに見えても、気にしなくていい。 私もそうでした。でも、見た目と結果は関係ありません。
- 1問目で頭が真っ白になっても、大丈夫。 私みたいにパニックになっても、分かる問題から解いて落ち着けば、頭は戻ってきます。固まった問題は飛ばして、後で戻ればいい。
- 手応えがなくても、あきらめないで結果を待つ。 私は落ちたと思っていたのに受かりました。自分の感触は、あてになりません。
緊張するのは当たり前です。学がなくても、当日パニックになりかけても、乙4は取れます。私がその証拠です。


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